バルトの楽園〜感想(ちょっとネタバレ?)

 府中のシネコンで鑑賞。とてもいい作品だった。ドイツ兵捕虜と日本人の敵味方を越えた友情、マツケン演じる捕虜収容所の所長・松江豊寿の優しさ、そしてクライマックスでは日本で初めて奏でられる「歓喜の歌」が収容所に響く・・・第一次大戦のさなかに、日本でこんな素晴らしい出来事があったなんて知らなかった。恥ずかしながら、私は戦闘シーン目的で鑑賞したのだが、そんなシーンはごくわずかであり、それだけが目的なら見ないほうがいい。しかし捕虜と収容所の周辺住民が次第に打ち解けあうシーンや、松江所長が幼いころに辛酸をなめた会津でのエピソードは感動的で、敗戦によって帰国することになったドイツ兵たちが感謝を込めて「第九」を演奏するシーンは感動と同時にとても嬉しくなった。私の変な期待は裏切られたが、それ以上に見てよかったと思える作品であった。私が見たのが平日の昼ということもあって、観客は私以外全員お年寄りだったが(笑)、ぜひ若い人にも見てほしい。